「Linuxで2ちゃんねる」なんて書くと「どうせ小難しいソフト使うんだろ」という答えがまだ返ってきそうだ。
そんなわけで「小難しくない」やつを三つばかり選んでみた。kita、おちゅ〜しゃ、そしてV2C。どれもこれもマウスクリックで動くしAA板の大作だって見る事ができるぞ。
KDEベースのブラウザ。もちろんAAにも対応、ばっちり利用できる。2005/07現在も活発に更新され続けている。もっともWindows的に動作するアプリでもあり、Windowsからの転向組にはかなりおすすめである。
名前の由来はもちろん、2ちゃんねる用語の「キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!」。さらにKDEアプリの慣習である「頭文字をKにする」にもかけてあると思われる。まさに「KDEユーザのための2ちゃんねるブラウザ」。操作も当然、全部マウスクリックとホイールで事足りてしまうしKDEの作法にもきちんと従っている。
KDE環境でkitaを使うとその軽さに驚くだろう。まるでWindows配下でIEコンポーネントの軽量ブラウザを使うかのようである。理由は簡単で、同じようにKDEの仕組みを利用しているのだから軽くて当然なのである。
使い勝手も大変よいが、お気に入りの扱いだけは後述する「V2C」に負けると個人的には感じる。kitaは「お気に入りの板」を登録しておき、それを次々に手繰ってたくさんのスレを読み書きする使い方に向くのではと思う。
個人的には、画像系の板で重宝する。ロードした画像をタブ式のビューアで一気に取り扱う機能がなかなか秀逸なのである。
GNOMEベースのブラウザ。名前はもちろん「かちゅ〜しゃ」のもじりだが、パステルカラーの注射器のアイコンといい、とことん遊び倒しているあたりが小気味よい。
kitaと比べると、非常にGNOME的な雰囲気に溢れているのに気づく。全くもってWindows的ではないのだ。こう書くとまるで悪いみたいだがそうではない。これはこれでいいのだ。また特有の機能もあり、これらを便利に利用すればもう手放せない一作となるのではあるまいか。
欠点は、スレの表示がkitaより遅いことくらいか。しかしそれを欠点と言いきるのもまた早計。おちゅ〜しゃには独特の機能があるし、kitaにしても高速化のために読み込みと展開に独自の工夫をこらしてある。これは両者の性格の違いであろうと私は考えている。
Java+Swingによるブラウザ。てか、ようするに最新のJava実行環境一式があれば動くと思ってまちがいない。Javaで書かれているためWindows等いくつかのプラットホームに対応している他、いくつかの強大なる長所もある素晴らしい一本である。インストールも簡単で、Java環境がきちんとインストールされているなら、V2Cのページにおいて「実行」というところをクリックするだけでJava Web Startが起動。最新版が自動的にダウンロードされ実行される。
たとえば、お気に入りスレをフォルダで階層管理できる。この機能はまだ改善の余地があるが非常に便利だ。これといくつかの機能を組み合わせると、既に1000に到達したスレも今のスレも区別なくシームレスに扱うこともできる。
さらに「オンラインアップデート」にも対応している。これはJava Web Startの機能を利用したもので、常に最新に保つことができる。OS側のパッケージシステムで対応しない限り非対応のおちゅ〜しゃやkitaでは早晩太刀打ちできない利点だ。この点をもって最強と断じてもいいくらい。
短所としては、起動が非常に遅いこと。Javaである以前に、起動時に板/スレッド一覧の再編もしているのではないか。動いてしまえば問題ないのだが、三つの中でもぶっちぎりというか桁違いに遅い。オンラインアップデートが入ればダウンロードで更に待たされる。少しも持てないひとには向かない。特にナローバンドの方。ざけんなと吠えたくなる事態すら起きるかもしれない。
むろん回避手段はある。普通にダウンロードし、デスクトップ上でクリックして実行すればいいだけの話で、もちろんこれでも全く問題ない。自動更新の便利さは当然味わえなくなってしまうが…。
またLinux系ではAAの行間のズレが気になった。行間の調整については調査中。なんとかできないものかなぁ。
個人的には「フリーソフトウェア」または「オープンソース」でない点が気になる。作者ひとりで書かざるをえないうえに作者に何かあればおしまいなのだ。ここいらがソース非公開の「フリーソフト」の恐い点だ。ソースさえGPLなりBSDなりのライセンスで公開されていれば最悪、作者が突然なんらかの理由で開発が続けられなくなっても大丈夫。つい最近、Windowsのタブブラウザの作者で開発のパソコンを盗まれてソースコードがなくなるという事件があったが、当然ながらソースが公開されていればこういう事態は防げるし、もちろん作者が亡くなられてしまうという不測の事態すらも回避できるのだから。一社独占のソフトウェア空間にいるひとには理解しがたい感覚かもしれないが、自由なソフトウェア空間に暮らす人間のひとりとしては、これは果てしなく不安材料だといえる。
いくつかの問題はあるが、複数のOSを併用する人間には「同一の外観と機能を提供する」事だけでも心強い。かくいう私もWindows環境で見ざるをえない時はこれなのである。
UNIX系OSで2ちゃんねるブラウザなどと言うとかつては『好き者』でしかなかったかもしれないが今は違う。AAにも普通に対応した普通のGUIなブラウザが生まれている。navi2chもAA対応しているがEmacs系はそれだけの理由で引くひとがいるし「マウスでクリック」のみで使えしかも普通に多機能なブラウザが生まれてきているのは賛否こそあれ嬉しいこと。選択肢がそこに提供されたという事なのだから。
これからも進歩してほしい。そう思ったひとときであった。
日本語のページです。
JREってのがあればV2Cの動作には充分です。
外国語のページです。
「KDEデスクトップ環境 - あなたのデスクトップを征服する!」……なんとも過激な。でもそれに相応しいと思う。ちなみに母体はドイツ語のようです。